2019年の「老後2000万円問題」の話題を契機に投資に関心を持った方も多いのではないでしょうか?
書店に行っても特に最近はさまざまな投資関係の本が目立つところに置かれるようになってきている印象です。
「老後の資金に不安があるけど、どうすればいいかわからない。」
「貯金でもっているのがやっぱり安心? 貯蓄型の保険? 投資?」
と悩んでいる方は多いと思います。
わたしもその一人です。
ただ、将来を想像した時にこのままでは不安がなくならない、と思いました。
そこで少し勉強した結果、つみたてNISAによる資産形成をはじめました。
今回の記事は以下のような方に向けて書いています。
- 積立NISAってなに?
- どんなメリットがあるの?
- どの商品を選べばいいの?
この記事を読めば、つみたてNISAのメリットはなんなのか、どんな商品に投資をすれば良いか、見込まれる利益はどれくらいかといったことが理解できるようになります。
銀行預金だと資産はどんどん減っていく
銀行にお金を預けるとお金は減らないと思っていませんか?
実はどんどん減っていきます。
1980年末から1990年初頭までは銀行預金の金利が5%を上回っていた時代があり、
銀行に預けているだけで10年で2倍近くに増える計算ができる利回りでした。
現在は一般銀行の多くが普通預金金利が年0.001%です。
100万円を預けた場合、年利5%だと1年後は105万円になりますが年利0.001%だと1年後100万1000円です。
利息は少ないけど減ってはいないと思われるかもしれませんが、世の中はインフレ(物価上昇)が進んでいます。
インフレ率が銀行の年利よりも高ければ相対的に預けているお金の価値は減少することになります。
インフレ率が1%だと現在100万円の商品は5年後には105万1010円に物価上昇します(複利計算)。
銀行に預けた100万円は100万円よりは減らないものの
相対的に物価上昇に追いついていないため価値が下がってしまいます。
缶ジュースやペットボトル、雑誌など身近な商品が自分が子供のときと比べて
少しずつ値段が上がっているのはわかると思います。
これが今後さらに10年、20年経つとどうなるでしょうか?
日銀は年2%のインフレが目標といっています。
今後日本もインフレが進む可能性が高く、銀行預金では相対的に資産が減っていくことになります。
銀行に預けておく以外に資産の価値を落とさないためにできることはないのでしょうか?
その手段の一つがつみたてNISAです。
つみたてNISA (積立NISA) とは?
つみたてNISAとは2018年1月から開始されている非課税制度です。
もう少し具体的にいいますと、株式投資のうち投資信託に長期投資して、
得られた利益について最長20年非課税になる、というものです(通常は利益に対してだいたい20%の税金がとられます)。
要は、政府が用意した税制の優遇制度ってことです。
それ以上の詳細はここで説明するとややこしいので、金融庁のページや
他の詳しい説明サイトなどを確認してください。
もちろん、株式投資は元本保証ではないのでリスクはゼロではないですが、
長期で見るとプラスになる可能性がかなり高いと考えられます。
銀行に預金として置いておくよりも長期の投資信託(中でもインデックス投資)は
比較的リスクを抑えて資産が増える可能性が高いと考えられる、ということです。
「急にインデックス投資とか言われても」、という方、
投資を検討したい方への基本の入り口としては、私がここで文章で説明するよりも
中田敦彦さんのYouTubeの以下のシリーズが参考になるかと思います
(細かい部分はいろいろとツッコまれるところがありますが)。
ざっくりと投資が預金に対して優位だということ、
もっと手数料に敏感になるべきことなどがわかると思います。
つみたてNISAの非課税期間は20年、一般NISAは5年
つみたてNISAの他に通常のNISA (一般NISA) があり、区別されます。
つみたてNISAでは年40万円までの積立が可能ですが、もっと少額からでも可能です。
年間の投資上限 | 非課税期間 | |
一般NISA | 120万円 | 5年 |
つみたてNISA | 40万円 | 20年 |
楽天証券のメリット マネーブリッジとは
ここまでで、銀行に貯金しておくよりも長期のインデックス投資の方が
資産が増えやすいということはなんとなくご理解いただけたかと思います。
では「実際に積立NISAをはじめたい」という場合、どうすればよいかというと、
まずは証券口座が必要です。
最近ではネット証券の楽天証券は人気があります。
楽天証券やSBI証券、マネックス証券あたりが人気ですが、
私は楽天証券で証券口座を開設しました。
そして、証券口座の中で、NISA口座を作る必要があります。
ひとりにつきNISA口座は1つだけなので、複数の証券会社で
それぞれNISA口座を持つことはできません(後から、証券会社を変更したくなった時は、
年が変わるタイミングで変更・移管はできますが少し手続きが必要です)。
また、つみたてNISAか一般NISAかはどちらか一方しか選べません(年によって切り替えは可能です)。
私は楽天証券で口座開設をしましたが、楽天証券は初心者にも比較的画面がわかりやすく、
その他にもいくつかメリットがあります。
特に、楽天銀行の口座をもっているとお得なので楽天証券を利用する場合には必須です。
楽天銀行と楽天証券は連携させることができ、これは「マネーブリッジ」と呼ばれています。
マネーブリッジの利点は大きく以下の2点です。
- 金利が年0.1%(一般的な都市銀行の100倍)
- 自動出入金(スイープ)が利用可能
まず、金利ですが一般銀行の多くが普通預金金利が年0.001%です。
マネーブリッジしていない楽天銀行は金利0.02%と比較的高い金利が設定されていますが、
口座連携することで0.1%とさらに5倍になります。
次に、自動出入金ですが、通常は銀行口座から証券口座に資金移動した上で
買付をおこないますが、楽天のマネーブリッジでは不要です。
楽天銀行に資金を入れておけば、買付の際に自動で楽天証券に移動して、
夜間に自動で楽天銀行口座に資金が戻り0.1%の優遇金利が受けられるという仕組みです。
以上のように楽天のマネーブリッジだけでも十分メリットがあり、
楽天銀行の利便性も高いのでメガバンクや一般都市銀行に預金しておくよりも
楽天銀行に預金しておく方がお得と考えることができます。
ちなみに楽天証券で積立を楽天カード払いにすると1%のポイント還元が得られます
(コストが1%安くなる、と考えることができます)。
ネット銀行でもう一つ人気のSBI証券は外国株式やIPO(新規上場株式)の取扱い銘柄が
多いなどがメリットですが、つみたてNISAを考える上では手数料や取り扱い商品に
両者でほとんど差はないので楽天のメリットが大きいという方が多いのではないでしょうか。
他にも細かいポイントはいくつかあるのですが、
興味がありましたらまた別の機会に記事を作ってみようと思います。
つみたてNISA どの商品に投資すればよいか 〜eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で積立〜
わたしは一通りつみたてNISAの情報を調べたうえで
2020年8月分から楽天証券でつみたてNISAをはじめました。
つみたてNISAの上限、年40万円を使い切ろうと思うと
毎月均等に割ると33,333円の積立まで可能です。
もちろん月によって積立てる金額が変わってもOKですが、
楽天証券で毎月自動で定額買付する設定にするのが楽です。
楽天銀行とのマネーブリッジで「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
という商品に、月3万円ずつ積立を開始しています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は1本で全世界の株式に分散投資でき、
なおかつ「市場ポートフォリオ」が作成できる優れた投資信託商品です。
購入手数料は無料で、運用の実質コストも業界最安水準です(投資信託は実質コストが安ければ安いほどいい商品と考えます)。
市場ポートフォリオというのは全世界株式の場合、全世界の株式を
時価総額の大きさに合わせた比率に配分するポートフォリオ(組合せ)です。
市場ポートフォリオはアメリカの経済学者ウィリアム・シャープさんたちが
「資本資産価格モデル」というものを使って最も効率の良いポートフォリオである
と証明し1990年にノーベル賞を受賞しています。
つまり、投資の初心者が毎月何も考えずに積立を行うだけで、
大失敗するリスクを最小限に抑えつつ、平均的なリターンが期待できる資産運用ができるということです。
毎月定額買付の設定をしてあとは放置でOK、というわけです。
難しいチャートを見たりする必要はない、と言えます。
20年でどれくらい増えるのか 〜長期投資のシミュレーション〜
楽天証券の積立シミュレーションを使って、毎月3万円を積立てた場合のシミュレーションを行なってみました。
利回り3%、4%、5%でそれぞれ15年積立てた場合がこちら。

5%で15年だと元本540万円積立 → 約802万円(約262万円増)です。
そして利回り3%、4%、5%でそれぞれ20年積立てた場合がこちら。



5%で20年だと元本720万円 → 約1233万円(約513万円、約71%増)です。
先ほどご紹介した全世界株式の長期リターンはだいたい6%前後と言われています。
銀行口座に置いておくよりずっと資産形成になると思いませんか?
個別株の投資はもっとリスクを大きくとって数倍、
数十倍のリターンを狙うこともできるかもしれませんが、
投資の初心者は失敗する危険性が高すぎると思います。
今回紹介した全世界株式へのつみたてNISAという非課税制度を利用した長期投資は
2倍、3倍といったリターンは難しいものの、リスク最小限で、しかも放置しておくだけで
誰でも資産を増やすことができる可能性が高い方法と言えます。
ただし、実際の運用利回りは短期的にはマイナスになることもあるため、
あくまで15年、20年といった長期で持ち続けるということが重要になります。
まとめ
いかがでしたか?
伝えたい情報が多すぎる中、本当にごく一部だけをエッセンスとして紹介してきました。
- インフレが進むため銀行預金では相対的に資産の価値が下がっていく
- つみたてNISAは投資信託の利益が最長20年非課税となる
- インデックス投資で長期運用することでほぼ誰でも資産が増やせる
- 楽天証券は楽天銀行とマネーブリッジすることで優遇金利が受けられ、自動出入金が利用できる
- 全世界株式への投資は初心者に一番勧められる投資手段
将来の資産形成にむけて「なんとなく不安はあって考えてはいたけど、まだ動けていない」
という方はこの機会に行動を起こしてみてはどうでしょうか?
つみたてNISAは一人一口座です。
夫の口座でもつみたてNISAが可能なので非課税制度を最大限利用するために夫婦での利用も検討しています。
そして、実は娘に関しては現在ジュニアNISAという制度が使えるので
ジュニアNISAでも運用を始めましたが、このあたりの話はまた別の記事でまとめたいと思います。
CHECK 楽天証券で口座開設
お断りしておきますが、投資は自己責任です。特定の商品を勧めているわけではありません。一例としてご参照いただき、最終判断は自分でするようにお願いいたします。