ジュニアNISA(ニーサ)って何?
ジュニアNISAが利用しやすくなったってどういうこと?
そんな方の疑問にお答えする記事を用意しました。
初めに、今回の結論です。
- ジュニアNISAは今からでも開始すべき!
- ジュニアNISAで2年かけて100万円運用したら120万円以上になった。
これまでジュニアNISAは人気がなく、2023年までで廃止されることになりました。
しかし、皮肉なことに廃止のおかげで使い勝手がよくなりました!
ジュニアNISAについて、「よくわからないよ」という方は今からでも始めた方が絶対にお得なので、ぜひ本記事をチェックしてください。
また、わが家がジュニアNISAに100万円投資した運用成績についても公開しています。
ジュニアNISAの概要はわかってるよ、早く結果を知りたい、という方は目次から先に飛んでください。
ジュニアNISAとは
ジュニアNISAの概要
ジュニアNISAとは、2016年1月に始まった「未成年少額投資非課税制度」です。
金融庁のホームページから引用改変すると、概要は以下の通りです。
対象者 | 日本在住の0〜19歳(口座開設年の1月1日時点) |
非課税対象 | 株式、投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や売却益 |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
非課税投資枠 | 新規投資額で毎年80万円が上限(*1) |
非課税期間 | 最長5年間(*2) |
投資可能期間 | 2016年〜2023年(*3) |
運用管理者 | 口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の家族(両親・祖父母など)(*4) |
払出し | 18歳までは払出し制限あり(*5) |
- *1:未使用分があっても翌年への繰越不可
- *2:期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能
- *3:2023年12月以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を超えても、一定の金額までは20歳になるまで引き続き非課税で保有可
- *4:金融機関により異なる可能性あり
- *5:3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までは、原則払出し不可
ジュニアNISAの投資対象
投資対象は以下のとおりです。
ジュニアNISAで取引できる金融商品
- 株式投資信託
- 国内・海外上場株式
- 国内・海外ETF
- ETN(上場投資証券)
- 国内・海外REIT
- 新株予約権付社債(ワラント債)
ETF:Exchange Traded Fundの略で「上場投資信託」のこと。
他の個別株と同じように市場で売買できる投資信託(普通の投資信託は非上場で1日1回算出される基準価額をもとに取得)。
つみたてNISAでは金融庁が認めた優良な投資信託が対象ですが、ジュニアNISAは個別株や海外のETFなどにも投資することができます。
さらに詳しく勉強したい方は金融庁のページを見てみてください。
非課税というのは、通常は株の利益(売却益や配当金)には約20%(20.315%)の税金がかかりますが、それが引かれないことになります。
具体的には、例えば100万円を運用して120万円に増えた場合、それを引出した(売却した)時に、通常だと利益分の20万円の約20%、約4万円が税金として持っていかれて実際手元に入る利益は約16万円になります。
NISAやジュニアNISAではこの約4万円が引かれず(非課税で)20万円丸々手元に入る、というものです。
このジュニアNISAの制度は、2023年末で廃止されることが決まっています。
ジュニアNISAは2023年で廃止!でも利用しやすくなった?
2020年度の税制改正でジュニアNISAは2023年末までで廃止されることになりました。
税制改正の大綱から該当部を抜粋しますと、以下のように記されています。
1 金融・証券税制
(2)未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(ジュニアNISA)について、次の措置を講ずる。
①未成年者口座開設可能期間は延長せずに終了することとし、その終了にあわせ、令和6年1月1日以後は、課税未成年者口座及び未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全額について源泉徴収を行わずに払い出すことができることとする。
令和2年度税制改正の大綱
これによってジュニアNISAが利用しやすくなったと言われています。
廃止前は、(非課税にするためには)子どもが18歳になるまで資金がロックされてしまうことが最大の難点でしたが、廃止によって難点がなくなったのです。
つまり2024年以降、子どもが18歳に達していなくともいつでも必要になった時に引き出せるようになりました。
当初の予定が変わって急に資金が必要になった、などの際にも安心です。
もちろん子どもが成人するまで運用を続けることもできます。
2022年からだと廃止の2023年まで最大2年分、計160万円までの投資分が非課税対象となります。
ジュニアNISAでeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を買付
わが家ではつみたてNISA開始と同じく、2020年8月分から楽天証券の未成年口座とジュニアNISA口座を開設し、運用をはじめました。
わたしのつみたてNISAと同様に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」1本だけをスポットで買付してきました。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の概要
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とは三菱UFJ国際投信が運用する投資信託です。
MSCI-ACWIという指数に連動する、いわゆるインデックスファンドです。
特徴を簡単に挙げると、
- 1本で全世界の約3,000銘柄に効率よく分散投資ができる
- 低コスト
- 運用停止のリスクが低い
- 指数との乖離が少なく安心
な投資信託です。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の主な投資先比率
先進国と新興国の比率は88%:12%となっています(2021年9月時点)。
国別ではアメリカが 59.6%とほぼ6割です。
組入上位10銘柄は以下のとおりです。
Apple、Microsoft、Amazon、TESLA、alphabet(Google)、NVIDIA、Meta(旧facebook)など、上位10位すべてがアメリカの有名企業で占められています。
ジュニアNISAで個別株に投資すべき?
ジュニアNISAでは、つみたてNISAと違って個別株にも投資できます。
投資信託への投資と、個別株への投資ではどちらがいいか ですが、これは完全に個人の考え方による、としか言えません。
ただ、初心者はつみたてNISAと同様に優良な投資信託に投資するのが無難と思われます。
お金のプロ中のプロである、山崎元さんと人気投信ブロガーの水瀬ケンイチさんによる共著の最新版「【全面改訂 第3版】ほったらかし投資術」の中では、多くの人の最適解になり得る投資対象を1本だけ挙げる、としてeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が紹介されています。
私は2015年出版の改訂版を読んでいましたが、今回の全面改訂 第3版も買っています。
家のことや子どものことで日々忙殺されているようなママでも、仕事が忙しい方でも、ラクに、ほったらかしで合格点の投資ができる投資先、それが全世界株式への投資である、との結論です!
正直、未来は誰にも読めませんので、優良な投資信託も時にマイナスになる可能性はありますが、過去の歴史からは株式投資では長期に運用すればするほど、元本割れの可能性は低いことが言われています。
よって、ジュニアNISAで子どもが大きくなった時のためと考えているのであれば10年とか15年以上の投資期間を見込んでいると思いますし、リターンはプラスになる可能性が期待できるのではないでしょうか。
わたしの「つみたてNISA」でもeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)1本に投資していますが、その運用成績については過去の記事をご参照ください。
ジュニアNISAの注意点
ジュニアNISAに関して注意点が5点あります(一部は特定の方のみ対象の注意点です)。
- 親も子どもと同じ証券会社に口座を持っている必要がある
- 外国株が買えない(SBI証券以外)
- 途中で金融機関の変更は不可
- 払い出しは一括
- 楽天カードでの積立ができない(楽天経済圏の方のみ)
- 楽天銀行口座と楽天証券の未成年口座はマネーブリッジできない(楽天証券の方のみ)
注意点① 親も子どもと同じ証券会社に口座を持っている必要がある
ジュニアNISA口座を開設するには子どもの未成年口座、ジュニアNISA口座を開設する必要がありますが、親(親権者)も同じ証券会社に口座を持っている必要があります。
ジュニアNISA口座をSBI証券にしたい場合は親もSBI証券の口座を持っている必要がありますし、子どもが楽天証券なら親も楽天証券の口座が必要です。
注意点② 外国株が買えない(SBI証券以外)
ジュニアNISAではつみたてNISAとは違って先に述べたように投資信託の他に国内の個別株や海外の個別株、海外ETFも対象になっています。
ただし、ジュニアNISAで外国の個別株やETFを買えるのはSBI証券のみです。
ジュニアNISAで外国株を買いたいという人はSBI証券でジュニアNISA口座を開設するようにしましょう。
わが家のジュニアNISAは楽天証券なので国内株式と投資信託が主な対象で、外国株は買えませんが、外国株の取引の予定はないので特に問題ありません。
現状はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を買い続けるつもりです。
注意点③ 途中で金融機関の変更は不可
金融機関を変えるには運用中の口座をいったん廃止して、新たに別の金融機関で口座を開設し直す必要がありますが、開設済みのジュニアNISA口座を払い出し制限解除前に廃止すると非課税の権利も消失するので、遡って課税されます。
注意点④ 払い出しは一括
払い出し制限解除前に「一部だけ払い出したい」、と思っても不可です。
払い出しをしようとすると、注意点③とも一部重複しますが、全額一括払い出しの上、ジュニアNISA口座は廃止となり、ジュニアNISA口座を開設した日以降の利益すべてについて遡って課税されます。
ただし、2024年以降(ジュニアNISA廃止後)に一部だけ払い出せるようになるかなどはまだわかりません。
注意点⑤ 楽天クレジットカード・楽天キャッシュでの積立の対象外
これは主に楽天経済圏の方のみです。
楽天証券の一般NISA、つみたてNISAでは毎月の定額積立を楽天クレジットカードや楽天キャッシュで行うと決済額の0.2%または1%が楽天ポイントとして還元される仕組みがあります(楽天キャッシュは2022年8月から)。
しかし、同じ楽天証券でもジュニアNISAは楽天クレジットカードや楽天キャッシュでの積立の対象外です。
子どもの「未成年口座」に入金したお金を「ジュニアNISA口座」に振替し(移した時点で払い出し制限解除まで払い出し不可)、そのジュニアNISA口座に入っている資金からの買付になります。
注意点⑥ 楽天銀行口座と楽天証券の未成年口座はマネーブリッジできない
こちらも楽天証券の方限定の注意点です。
楽天銀行口座は通常は金利が0.02%ですが、楽天証券口座と連携(マネーブリッジ)を行うと金利が0.10%と5倍になります。
その他、便利な自動入出金(スイープ)サービスが使えたりとお得なのですが、未成年口座ではマネーブリッジできません。
ジュニアNISAで100万円運用した結果
わが家では2020年からジュニアNISAを初めています。
2020年から2022年までだと80万円×3年=240万円が上限ですが、わが家の場合は資金に余裕がなく、これまで100万円をジュニアNISAに回すのがやっとです。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)1本に100万円を投資してきました。
不規則にスポット購入した結果ですが、ご覧ください。
計100万円を不定期に購入して、2022年6月末時点での評価額は1,204,265円と204,265円(20.43%)のプラスです。
2022年前半は株式が軟調ですが、それでいて20%超えのリターンは出来過ぎではないでしょうか?
2022年後半、さらに下落の懸念もありますが、気にせずこのまま運用し続けます。
まとめ
まとめです。
- ジュニアNISAが2023年いっぱいで廃止される
- それまでは18歳まで払い出しができない制限があったが、2024年以降は18歳に達していなくとも払い出しができる
2022年内に口座開設すればジュニアNISAとしての投資可能額が子ども一人あたり160万円分です。
2023年の開設だと投資できる額が80万円に減少してしまいます。
少しでも非課税の恩恵を受けられるよう、利便性が高まったと言われるジュニアNISAの活用を考えてみてはいかがでしょうか?
ジュニアNISAについての疑問などについて、初心者向けで個人的にわかりやすいと思ったサイトを紹介しておきます。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
投資は自己責任になります。特定の商品を勧めるものではありません。参考程度に見ていただき、最終的な判断はご自分でしていただくようにお願いいたします。