インデックスファンドで全世界株式がオススメって聞いたけど、色々あってどれを選べばいいかわからない
それぞれの全世界株式は何が違うの?
そんな疑問にお答えします。
今回の記事を読めば、短時間で主要な全世界株式の違いが分かってスッキリすると思います!
--- 2022年1月追記 ---
SBIアセットマネジメントから新しい 全世界株式ファンドが登場しています。楽天 全世界株式 インデックスファンドと真正面から競合する投資信託です。詳しくは関連記事をご覧ください。
全世界株式に投資するインデックスファンド
世界株に投資するインデックスファンドはさまざまありますが、 商品によって投資地域やベンチマーク、投資割合が微妙に違ったりします。
インデックスファンドとアクティブファンド
インデックスファンドというのは投資信託のうち、ある指数への連動を目指すファンドのことで信託報酬が安いことが多いです。
一方、指数を上回るリターンを狙うファンドをアクティブファンドと言います。
- インデックスファンド:指数への連動を目指す。信託報酬が安いことが多い。
- アクティブファンド:指数を上回るリターンを目指す。信託報酬は高め。
全世界株式に投資するインデックスファンドのベンチマーク
主なインデックスファンドとベンチマークについて以下の表にまとめます。
各ベンチマークについて、ファンドを設定日が新しい順に並べています。純資産総額は2021年11月時点のデータです。
つみたてNISA、iDeCoの対応についても調べました(2021年11月、ヒトヒト調べ)。
※ネット証券を中心に主な対応証券会社について一通り調べましたが、抜けがあるかもしれません。
間違いがありましたら教えていただければ幸いです。
上の表で出てきた各ベンチマークについて簡単に説明しておきます。
- MSCI ACWI
- MSCIという会社が出している指数で先進国、新興国の大型および中型株を時価総額加重平均で指数化したもの。世界の株式時価総額の85%をカバーする。
- MSCI ACWI(除く日本)
- 日本を除く先進国、新興国の大型および中型株を時価総額加重平均で指数化したもの。
- FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
- FTSE社が開発した指数で小型株を含めた全世界の株式を時価総額加重平均で指数化したもの。世界の株式時価総額の98%をカバーする。
- 3地域均等型
- 日本(TOPIX)、先進国(MSCI コクサイ・インデックス)、新興国(MSCI エマージング・マーケット・インデックス)をそれぞれ均等に組合わせた合成指数。
- 先進国・新興国・国内株式 GDP比率
- TOPIX、MSCI コクサイ・インデックス、MSCI エマージング・マーケット・インデックスに、それぞれ名目GDP(国内総生産)総額の比率に基づいた割合で構成する指数。
ちなみに、FTSEは「フッツィー」って読むみたいです。
NISAやiDeCoへの対応を含めて表でまとめてみると、松井証券は全世界株式に関してつみたてNISAやiDeCoにも結構広く対応しているという利点がありそうです。
楽天証券やSBI証券が人気ですが、
資産50億のトレーダー、テスタさんも主に使っている松井証券もいいかもしれません(主に個別株の方ですが。)。
本題とはズレますが、松井証券のYoutube動画は初心者投資家に向けた易しい動画を出していますので、参考までに貼っておきます。
全世界株式のインデックスファンドの地域別投資割合の比較
それぞれの全世界株式のインデックスファンド(各ベンチマーク)の地域別投資割合の比較について比較します。
時期によって割合は多少変わりますが、現状の割合について概要を理解できればよいので、あまり少数点以下は入れませんでした。
3地域均等型やGDP比率に連動するものでは新興国株の割合が高いのがポイントです。
一口に全世界株式に投資する、と言っても、連動を目指すベンチマークによって投資する国、地域にだいぶ差があります。
よって、どの地域に多めに投資したいかが、どのファンドを選ぶかの大事な基準になります。
全世界株式のインデックスファンドのコスト比較
全世界株式に投資する主なインデックスファンドの運用コストをお示しします(2021年11月、ヒトヒト調べ。 ※一部、実質コストは年間の値に合うように算出したものもあるため、最終的な実際の値と多少のズレがある可能性があります)。
並べてみると、コストはさまざまですが、eMAXIS SlimシリーズとSBIがコストが安いのが分かります。
全世界株式のインデックスファンドのリターン比較
ここでは、全世界株式に投資する各インデックスファンドのリターンを比較してみます。
設定から3年経っていないファンドは3年のところのデータはありません。
ベンチマークが同じであれば、リターンはほぼ同等程度になっています。
MSCI ACWIへの連動を目指すファンドの中ではeMAXIS Slim 全世界株式(オールカ・ントリー)のパフォーマンスがこの数年はいいようです。
また、ここ最近は新興国株の割合が低く、米国株の割合が高いファンドのパフォーマンスが良くなっています。
今は米国株が新興国株よりも強いですが、今後、新興国株の方が強い時期が来るかもしれません。
2002年〜2018年あたりの約15年では3地域均等型のリターンが時価総額加重平均型のMSCI ACWIやMSCI ACWI(除く日本)を上回っています。
前の段落で解説してきたように、3地域均等型は新興国株の割合が高いのが特徴です。
今後新興国株が米国株より強い時期が来るかもしれないことについて、バフェット太郎さんの説明動画を載せておきますね。
【タイプ別】おすすめの全世界株式インデックスファンド
全世界株式に投資するインデックスファンドなら、その時点でだいぶ分散は効いていることにはなります。
それでも、ベンチマークによっては投資先の割合に差があるので、その分パフォーマンスに影響がでます。
自分がどれを選べば良いかわからない、という方のためにタイプ別にオススメのファンドを挙げてみます。
日本株投資をしている方
すでに日本株に何らかの形で投資をしている方は、その割合にもよりますが全世界株からは日本を外しても良いかもしれません。
するとMSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとするファンドが選択肢かと思います。
コストを考えると
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
がオススメできるかと思います。
iDeCoで全世界株式へ投資したい人
iDeCoで全世界株式へ投資したい方の場合、対応しているファンド、金融機関が多くないのである程度選択肢が絞られます。
今回ご紹介した中では、コストも考慮し
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):MSCI ACWI
- マネックス証券、松井証券
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本):MSCI ACWI(除く日本)
- SBI証券、松井証券
- SBI・全世界株式インデックスファンド:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
- SBI証券
- eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型):先進国・新興国・国内株式均等型
- 松井証券
からの選択となるでしょう。
投資したいベンチマーク、もしくは口座を持っている/開設してもよい証券会社で選ぶとよいでしょう。
楽天経済圏の人
楽天カードで投資信託の買付をすると1%のポイント還元が得られます。
また、楽天市場のSPU(スーパーポイントアッププログラム)の倍率もアップします。
ポイントでコストはなくなるようなものなので、楽天のサービスをよく使う方なら楽天証券で買えるコストの安いファンド、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
をお勧めします。
私は、楽天証券のつみたてNISAでeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に積立投資をしています。
\ 楽天カード買付でポイント還元! /
どれを選べばよいか全くわからない人
できればベンチマークを理解して、自分の投資したい地域の割合で選ぶのがいいと思いますが、それでもどうしても選べない、という方の参考までに私があえて1つ選ぶとすれば
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
です。
まず、主要な大手ネット証券なら取扱いがあります。
また、純資産総額が大きく、コストも安いところで選んでおけば大きな間違いはないのでは?ということも選んだ理由です。
ベンチマーク的に「MSCI ACWI」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」を全世界株式として扱うことも多いです。
現状はまだ米国株の強さは続いていると思いますので、現状はこのどちらのベンチマークに投資してもそこまで大きなリターンの差はでないと思われます。
小型株も入れたいならFTSEへの連動を目指すファンドを選ぶという感じかと思います。
その上で、後から「やっぱり新興国の割合を増やしたい」、となったらその時点で新興国株に投資するインデックスファンドなり、ETFなりを追加するということもできますので。
まとめ
まとめです。
今回解説した、各ファンドの比較をひとまとめにした表を載せておきます。
全世界株式への投資ができるインデックスファンド、これで大まかなところはカバーできているのではないかと思います。
ベンチマークを知っているだけで、自分の意図をもって商品選択ができると思います。
それでは今回はこのあたりで。
お断りしておきますが、投資は自己責任です。一応、現時点でのオススメの選択肢をご紹介はしていますが、実際の投資を強く推奨する意図はありません。当サイトをご覧になって行った投資行動でいかなる損失があっても、一切責任は負えません。一例としてご参照いただき、くれぐれも最終判断はご自分でするようにお願いいたします。