2022年、米国株市場が軟調です。
S&P500の株価は年初来で25%も下落し、今後景気後退の懸念もささやかれています。
現在S&P500に投資している人も、これからS&P500に投資しようと思っている人も今後の米国市場がどうなるか不安だと思います。
- S&P500に投資している人の実際のパフォーマンスはどうなっているの?
- S&P500の今後はどうなるの?
- S&P500への投資はこれからどうしたらいい?
本記事ではそんな不安に対して、参考になる内容をお届けしていきます。
私は2020年8月からS&P500の投資信託であるeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に投資を続けていますが、2年4ヶ月(28ヶ月)投資を続けた結果を公開しています。
結果だけ先にお伝えしてしまうと、2022年11月30日までのトータルの評価損益はプラス16.32%でした。
10月末時点ではプラス23.04%だったのですが、最近は今年は上がったり、下がったりです。
各月にいくらずつ投資したかの実際の金額も公開しています。
記事の後半では最新のアメリカ消費者物価指数(CPI)の結果などについても触れています。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に28ヶ月間投資継続した結果
私は2020年8月からeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に、やや変則的ではありますが毎月投資をしてきました。
28ヶ月間、積立投資を継続した結果が以下になります。




投資元本790,027円に対して評価損益がプラス128,920円(プラス16.32%)でした。
先月は含み益がプラス175,145円(プラス23.04%)だったので、今月は含み益が縮小してしまいました。
とはいえ、十分なパフォーマンスではないでしょうか。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の一般事項と最近の成績



eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はS&P500に投資できる投資信託です。
S&P500とMAXIS Slim米国株式(S&P500)について簡単に確認しておきます。
S&P500について
S&P500とは、格付け機関として有名なStandard and Poor’s(スタンダード アンド プアーズ)ダウ・ジョーンズインデックス社が算出している米国の代表的な株価指数です。
【S&P500指数】
米国の時価総額上位約500銘柄をもとに算出されている
上位500社で米国全体の時価総額の8割に相当し、米国経済の動向を表す代表的な指標
原則、年に4回組替え(リバランス)が行われ、常にその時期に調子が良い企業が入ることになり、アメリカ経済の調子がそこに表れます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の一般事項
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は三菱UFJ国際投信が運用する投資信託です。
信託報酬は0.0968%以内とかなり安いのが特長で人気の理由にもなっています。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の基本事項 | |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
ベンチマーク | S&P500 |
設定日 | 2018年7月3日 |
購入時申込手数料 | 無料 |
信託報酬 | 0.0968%以内(年率・税込) |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の最近の状況
初めにS&P500の株価チャートを確認してみますと、株価は2022年初めから下落基調で、最大マイナス25%も下がりました。
10月に多少持ち直しましたが、それでも11月末時点で年初来マイナス14%以上です。



2022年初めから11月末までの eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の株価(基準価額)の変化(騰落率)は2022年初から上がっては下がりのレンジ相場で11月終了時点ではプラス0.46%と、かろうじてプラスです。



直近の騰落率としては、過去1ヶ月 -4.8%、過去3ヶ月 -0.2%、過去6ヶ月 3.8%、過去1年 5.1%と、特にここ3ヶ月は軟調です。



ファンドの月報(2022.11)を見ますと、組入上位10銘柄は1位から順にアップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、バークシャーハサウェイ(ウォーレン・バフェットの投資会社)・・・となっています。
10月版で4位だったテスラの比率が下がって、11月版ではテスラは8位になっています。
アップルとアマゾンは前月と順位は同じですが、少し組入れ比率が減っています。



S&P500の今後 〜インフレと利上げの動向〜



ではS&P500の今後はどうなるのでしょうか?
現状、今後のS&P500を考える上ではインフレの状況とそれに伴う利上げの政策が関わってきます。
インフレの指標としては毎月CPI(Customer Price Index、消費者物価指数)やPPI(Producer Price Index、生産者物価指数)に注目が集まっています。
2022年11月のPPI(生産者物価指数)
2022年10月分のPPIはCPIの後に発表されましたが、11月分はPPIが先でした。
PPIは、消費者に渡る前の物価の指標になり、CPIと並んでインフレ具合を示唆する目安になります。
2022年11月の結果は以下のように予想7.1%のところ結果は7.4%、 コアPPI(コアPPI:価格変動が激しいエネルギーと食費を除いたPPI)は予想5.8%のところ結果は6.2%と先月とは逆に予想に対して強い結果となっていました。



市場は予想よりも結果が高かったことを受けて、インフレの鈍化はやっぱりまだ先なのかも、という懸念からか発表直後に株価が下がりました。
ただ、冷静に推移をグラフで見るとPPI、コアPPIともに数値は右肩下がりになってきています。






予想値が低過ぎたってことは?と思ったり。
重要な経済指標についてはマネックス証券のページなどで確認できます。
2022年11月のCPI(消費者物価指数)
PPIに引き続いて12月13日に発表された11月分のCPI(消費者物価指数)の結果は以下のように予想7.3%のところ結果は7.1%、 コアCPI(コアCPI:価格変動が激しいエネルギーと食費を除いたCPI)は予想6.1%%のところ結果は6.0%と先月に引き続いて予想より低くなっていました。



CPI総合のインフレ率はここ1〜2年で急激に進んでいましたが、2022年7月に発表された6月分の9.1%をピークに低下傾向です。






コアCPIは、2022年9月分が高くなっていましたが、そこから10月、11月と2ヶ月連続で低下しています。
PPIもCPIも結果の推移をみるとここにきて低下のフェーズに入ったように見えます。
アメリカの利上げの行方は?
アメリカの中央銀行であるFRB(米国連邦準備制度理事会)によるFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利が決定されますが、12月のFOMCでは予想通り0.5%の利上げになることが決定されました。
ただ、問題は最終的な金利がどこまで上がるか、という見通しです。
インフレが落ち着いてきたとなると、現状、今後の景気後退の懸念もあるため、利上げが控えめになるのではないかとの考えもあるため、一部の予想では2023年の政策金利は5%までは上がらないのでは?との見方もありました。
しかし、FOMCのプレスリリースのページにある資料によると、FOMCメンバーの意見で
2023年の政策金利の中央値が5.1%
との結果が発表されました。
前回9月の時は2023年の金利目標5%以上との意見は0人でしたので、今回、より利上げの方向に意見が変化したことになります。



この結果でFRBは世の中の予想に比して
来年もインフレの抑制に強気の姿勢
であることが示されました。
今よりもさらに継続してCPIの結果などが下がり続けるなど、インフレがより確実に収束したとなるまでは、来年も追加利上げを行う姿勢です。
中央値が5.1%で、それよりも高い値、5.3%とか5.6%という意見もあるので、今後の結果によっては全く油断できません。
これを受けて市場が反応して、直後に株価は下がる動きを見せました。
正直まだまだわからないといった状況で、今後も引き続き注意が必要なようです。
まとめ
今回はS&P500への投資に関して、私が2年4ヶ月投資した具体的な結果について公開しました。
また、S&P500の現状と、今後の見通しについて考察しました。
私なりのまとめとしては以下になります。
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に2020年8月から投資を続けたら28ヶ月でプラス16%超えのリターンになった。
- 2022年のS&P500は上がっては下がり、下がっては上がり。
- 9月以降、CPI、コアCPIとも低下傾向でインフレの鈍化、FRBの利上げペースのスローダウンが見込まれる。
今後もCPIの結果やFRBの利上げに関する発表で市場は上がり下がりする可能性はあります。
今後、景気後退入りの懸念もありますが、私はというと今後5年10年の間にアメリカの経済を他国が一気に追い抜いていくシナリオはあまり描いていないので今後もじっくりとS&P500への投資を継続していきたいと思います。
ずーっと右肩上がり一辺倒な相場であれば、初めに一括投資した方がリターンがよくなるところですが、現在のように、何度も下落が見られる相場では、ドルコスト平均法的な買い方が将来的に功を奏するのではないかと思ったりしています。
今後も、引き続きS&P500への投資結果を公開しながら、その時その時の状況について考えて行きたいと思います。
それでは、今回はこの辺りで失礼いたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。